18 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:11:52.83 ID:BedoYNk00
沙都子「露伴さーん、もう朝ですわよー?起きてくださいまし。
    梨花も、起きるんですわよぉー。」

露伴が目を覚ますと、朝食のいい匂いが部屋いっぱいに広がっていた。
狭い家ならでは雰囲気である。

露伴「ん・・・。もう朝か。」

露伴が沙都子に起されると、羽入がそれを嬉しそうに見つめていた。

19 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:14:36.35 ID:BedoYNk00
沙都子「さぁさぁ、露伴さん。私の作った朝食を召し上がってくださいまし。
    お口に合うかはわかりませんが、」
露伴「あ、あぁ、ん?パンじゃないのかい?」
沙都子「あら、露伴さん、普段の朝ごはんはパン食ですの?
    行けませんわよ。朝ごはんはしっかりご飯を食べないと、一日元気に過ごすエネルギーが出ませんでしてよ。」
露伴「ちゃんと同じカロリー取ればどっちでもいいと思うが・・・」
沙都子「んーもぅ、露伴さんは難しいことを言いますわね。
    とりあえず、うちにはご飯しかありませんでしてよ。
    うちに泊まっている間はご飯をお食べなさいませ。」
    
21 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:17:42.95 ID:BedoYNk00
露伴「そんなに怒るなよ。で、僕の分はこれでいいのかい?」
沙都子「えぇ、露伴さんのは多めにしておきましたわ。
    ほーら、梨花ぁ、さっさと起きなさい。今日はお出かけするんですわよー?」

そう言って沙都子は梨花を叩き起こしに行く。
露伴は朝食に手をつけようとした。

沙都子「露伴さん、ちゃんといただきますを言いまして?
    私には聞こえなかった気がしますわよ?」
露伴「あぁ、悪かったよ。いただきます。」
沙都子「はい、ちゃんと言えました、召し上がれでございますわ。」

23 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:24:21.09 ID:BedoYNk00
沙都子「露伴さん、どうですの?
    梨花以外に私のお料理を食べさせたことはありませんの。
    お口に合いまして?」
露伴「・・・・・・ぃょ・・・」
沙都子「聞こえませんですわよ?
    露伴さん、正直におっしゃってくださって結構ですからもっと大きい声で言ってくださいまし。」
露伴「美味しいって言ってるんだよ!!
   2度も言わせるな。2度同じことを言うってのは無駄なんだぞ。」
沙都子「そんなに怒らないでくださいまし。
    聞こえなかったから聞いただけですわよ、もう。」

そう言って沙都子は嬉しそうに頬を膨らました。

26 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:31:39.66 ID:BedoYNk00
朝食を済まし、着替えて外出する準備を済ませる。

ちなみに露伴の着替えは羽入が夜の間になんとか露伴の世界から持ってきていた。
人間に比べて物なら移動するのが簡単だったようで、数着程度の小さな質量なら移動できたそうだ。
もちろん、僕のスタンドの余波がなければ元の世界を辿ることはできなかったらしいが。


露伴「それで、今日の予定はどうなってるんだい?
   案内してくれるんだろう?」
沙都子「えぇ、案内しますわよ。
    まず午前中は、近くにある診療所と学校をご案内しますわ。
    そのあと、神社に戻ってきて圭一さんたちと合流する予定でしてよ。」
露伴「そうだな、診療所は僕も知っておいたほうがいいかもしれないな。
   (むしろ、この雛見沢で今最も行くべき場所が診療所だからな)」
沙都子「そうですわね。露伴さんもいつ怪我をなさるかわかりませんし、診療所はしっかり覚えてくださいまし。」
梨花「それじゃあ、診療所まで出発なのです。」

露伴たちは診療所へ向けて出発した。

27 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:36:05.05 ID:BedoYNk00
診療所にはすぐに到着した。
診療所は小さな村の診療所としては大きいほうなのかもしれない。
だが、とても未知の風土病を研究する施設のようには見えなかった。

沙都子「ここが診療所でしてよ。
    所長の監t・・・、入江先生はいい人ですから、露伴さんでもちゃーんと診てくれますわ。」
梨花「入江先生は、野球チームの監督をしているので、みんなには監督と呼ばれているのです。
   あと、沙都子が大好きなのです。そろそろ沙都子に気づいて出てくるころなのです。」

梨花がそう言うのと同時に、診療所の入り口から白衣の男が飛び出してきた。

29 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:40:36.37 ID:BedoYNk00
??「沙都子ちゃーん、今日はどうしたんですかぁ?
   もしかして、ご主人様に会いたくなっちゃったのかなぁー?」
沙都子「監督は私のご主人様ではないですわよ。露伴さんが誤解するようなことはやめてくださいませ。」

沙都子がいかにも不機嫌という顔であしらう。
彼が梨花が死亡するのと同時に自殺する入江京介のようだ。

入江「露伴さん?おっと、あなたですか?初めてお会いしますね。」
露伴「えぇ、初めまして。岸辺露伴と言います。
   漫画家を目指していまして、雛見沢には取材できました。」
入江「あぁ、富竹さんが言っていた漫画家さんですね。
   お話は聞いていますよ。初めまして、入江京介といいます。
   この診療所で医師をしております。」

40 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 21:50:58.55 ID:BedoYNk00
露伴「立派な診療所ですね。村の方もこれだけ大きな診療所があれば安心でしょう。」
入江「いえいえ、まだまだ私も若輩者でして、毎日が勉強ですよ。
   今日は、どうかされたんですか?」
露伴「いえいえ、体調はいいのですが、沙都子ちゃんたちが村を案内してくれると言ってくれましてね。
   診療所の場所は覚えておこうと思ったんですよ。あと2週間くらいは取材していく予定ですからね。」
入江「なるほど。何かありましたら、万全の体制で治療させていただきますよ。
   もちろん、ご無事を祈ってますけどね。」
露伴「ありがとうございます。やはり旅先での病気や怪我は厄介ですからね。
   できればお世話になりたくないものですよ。」
沙都子「露伴さん、あんまり長話している時間はありませんことよ?
    もう学校にいく時間があるか怪しいですわ、お昼には神社に戻らなくてはなりませんもの。」
露伴「あぁ、そうだね。ごめんよ。
   それでは入江先生、・・・"また"・・・お会いしましょう。」
入江「えぇ、医師としてではなく、個人としてお会いできることを期待していますよ。
   またお会いしましょう。それでは。」

そう言うと入江は沙都子に二言三言話しかけて診療所へと戻っていった。
入江京介。彼も今年の祟りに深く関わっている人物だ。
必ずまた会うことになるだろうと露伴は思った。

83 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:05:39.02 ID:BedoYNk00
露伴が入江と無駄話をしたせいで時間がないらしい。露伴の朝の身支度が長かったのもあるそうだが。
沙都子が一度神社に行き、全員で学校を案内することにしようと提案した。
露伴も梨花もそれに素直に従うことにした。

古手神社につくと、3人の子供の姿があった。
一人は弁当を並べ、残りの二人はなにやら話し合っているようだった。
梨花がその二人に近づき話しかける。

梨花「こんにちわです。」
沙都子「何やら騒がしいから来てみれば・・・これは何事ですのーッ!?」
??「見りゃわかるだろ。ランチタイムだ。ビュッフェスタイル・・・って、
   そっちの人は誰だぁ?」

86 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:06:57.55 ID:BedoYNk00
露伴「・・・。僕は岸辺露伴。漫画家を目指している。」
沙都子「露伴さんは取材で雛見沢に来ているんでしてよ。
    今、村を案内してきたところですわ。」
梨花「富竹3号なのです。にぱー☆」

??「へぇ、漫画家さんか。初めまして、前原圭一と言います。
   よろしく。」
??「あー、私はー、園崎魅音ッ!以後よろしくぅッ!!」
??「はぅ、竜宮レナです。よろしくお願いします。」

88 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:08:21.82 ID:BedoYNk00
露伴「あぁ、初めまして。圭一君に魅音ちゃん、それと礼奈ちゃんだね。」
レナ「あれ?レナの本名・・・知ってるのかな?かな?」
露伴「ん?あれ、今、礼奈って言わなかったかい?
   (・・・ちッ、まずったか?)」
魅音「あははは。露伴さん聞き間違えたのかな?
   レナはレナ。本名は礼奈だけど、私たちはそう呼んでる。」
露伴「そうか、すまなかったねレナちゃん。改めてよろしく。」
レナ「はい、よろしくお願いしますっ。」
沙都子「露伴さんもご一緒してよろしいですわね?
    露伴さんは私のお客人ですのよーッ。」
圭一「露伴さんのぶんはあるが、おまえの食うぶんはないッ!」
レナ「大丈夫だよ、ちゃんと沙都子ちゃんのぶんもあるよ・・・」
圭一「ないッ!沙都子のぶんは俺が頂くッ!!」
沙都子「そんなことは許せませんのーッ!!
    露伴さん、二人で圭一さんのぶんを食べつくしますわよッ!!」
露伴「おいおい、食事にはマナーってもんがあってだな。
   あんまり騒ぐもんじゃあないんだぜ。」

しかし、露伴の制止も聞かずに沙都子と圭一は大騒ぎしながら弁当を食い漁る。

89 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:09:46.46 ID:BedoYNk00
魅音「いやー、露伴さん。こいつらは言っても聞かないからねぇ。
   それにしても、沙都子と大分仲がいいんですね。」
露伴「昨日からずっと懐かれてね、寝るまで開放してくれなかったんだよ。」
レナ「仲がいいのはいいことですよね。はい、お皿どうぞ。
   魅ぃちゃんと梨花ちゃんも。」
そう言ってレナがお皿と箸を配る。大分多めに持ってきているようだ。
そりゃあこれだけ大騒ぎするなら汚しちまうから代えが必要だよな。

梨花「・・・僕たちも頑張らないと沙都子と圭一にみんな食べられてなくなってしまうです。」
魅音「そうだね。よし!おじさんたちも参戦といくかな!?」
露伴「言っとくが僕はおじさんって年齢じゃあないからな。」
レナ「あはは。魅ぃちゃんの口癖なんだよ。いっぱい食べてね。
   みんなの分、ちゃんとあるから☆」

92 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:14:08.14 ID:BedoYNk00
露伴「ふふふ、圭一君、この岸辺露伴が最も好きなことのうちのひとつを教えてやろう。
   勝利を確信した笑みに敗北を叩きつけてやることだ。
   まぁ、箸から箸で取るのはマナー違反なんだがね。」

そう言って露伴はミートボールを食べた。

圭一「くッ、なら俺はこっちの最後の玉子焼きをッ!!
   あれッ、な、ないッ!!!」
沙都子「をーっほっほっほ!ふでひ、わぁひがいははひまひたわ。
    ふぇーいひふぁん、ろぉふぁんふぁんおふぉうどうふぉ ゴクン 読みきれなかったあなたの負けですわよ。」

沙都子が口に玉子焼きを含んだまま勝ち名乗りをあげる。

圭一「くッくッそォォォォォオオオオ!!!」
露伴「沙都子ちゃん、口に入れたまま喋るのはどこの国でも許されないマナーだぞ。」

こうして激しい戦いの幕は閉じられたのだった。

101 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:53:39.73 ID:BedoYNk00
水筒のお茶が配られ、皆くつろぎはじめた。
すると自然とは話題は露伴のことに向かう。

圭一「露伴さんは漫画家さんなんだよな?俺たちが知ってる漫画とか描いてたりして。」
露伴「いやぁ、まだ見習いなんだよ。だからお手伝いばっかりさ。」
沙都子「でも露伴さんの絵はすごいんですのよッ!私、あんな綺麗な絵を見たことありませんでしたわ。」
魅音「へぇー、じゃあさ、露伴さんなんか描いてよ。」
レナ「はぅー、かぁいいやつがいいなぁ。」
露伴「あぁ、構わないけど、紙とペンがないぜ?」
沙都子「大丈夫ですわ。こんなこともあろうかと、らくがき帳を持ってきてありますのよ。」

そのとき、ニヤリと魅音が微笑む。

103 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/25(火) 23:56:49.53 ID:BedoYNk00
魅音「そうだ、いいこと思いついた。
   レナ、デザートは用意してあるよね?」
レナ「うん。ちゃんとリンゴのうさぎさんが用意してあるよー。」
魅音「それじゃあね、これからみんなで絵を描こう。
   お題は露伴さんに決めてもらって、露伴さんに採点してもらう。
   ちなみに、ビリはデザート抜きッ!これでどうッ?」
露伴「僕は構わないが、僕の採点はどうなるんだ?」
魅音「露伴さんに勝てるわけないじゃーん。
   露伴さんは、採点したあとお手本を書いてくれればおっけー。」
圭一「その話乗ったぁぁぁぁあ!!
   今度こそ沙都子を痛い目に合わせてやるぜぇえええ!!」
沙都子「圭一さん。私を甘く見ないでくださいまし。
    昨日露伴さんが絵を描くのをみて修行しておりますわよーっ!
    露伴さんの好みは大体わかってますわ。」
圭一「へっ。俺だって親父が画家だぞ。
   沙都子には悪いが本気を出させてもらうぜっ!」
魅音「レナも梨花ちゃんも、おっけーだね?」
梨花「僕はなんでも大丈夫なのです。」
レナ「んー、自信ないけど、私も大丈夫だよ。」
魅音「よっしゃぁ、それじゃあ露伴さんお題を出してちょーだいっ!」

105 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 00:02:28.99 ID:+6qFz/a90
露伴「うーん。本当なら難しいお題を出したいんだけど、
   まぁ、簡単なやつで、犬と猫を描いてもらおうかな?」

露伴がお題を出したとたん、全員背中を向き合わせて絵を書き出した。
他人に真似されるのを避けようとしているようだ。

露伴がお茶を飲んでくつろいでいると、全員が描き終った様である。

魅音「よし、それじゃあみんな一斉に見せるんだよー?
   いっせーの、せっ!」

107 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 00:04:20.04 ID:+6qFz/a90
魅音が掛け声をかけると、露伴の目の前に5枚の絵が並んだ。
皆、犬と猫を1匹づつ描いたようだったが露伴の目から見て犬と猫は3匹づつしかいなかった。

露伴「えーと、採点基準は僕の判断でいいのかい?」
魅音「うん。露伴さんの好きにしてっ!」

露伴「まぁ、一番は魅音ちゃんかなぁ、絵は得意なのかい?」
魅音「えへへー。一応、婆っちゃに水墨画とか習ってるしねー。」
露伴「へぇ。水墨画かい。ちょっと興味あるな。今度お婆さんを紹介してくれよ。」
魅音「んー、まぁ、機嫌がいいときならね。
   それより、次の順位を発表してよ。」

109 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 00:08:02.35 ID:+6qFz/a90
露伴「あぁ、次はレナちゃんと梨花ちゃん。
   レナちゃんはちょっとデフォルメしすぎてるけど可愛い絵だね。
   梨花ちゃんは逆に古風な絵で、味があるよ。二人が同着ってところかな。」
レナ「ありがとうー。梨花ちゃんも上手だね。私より上手いよ。」
梨花「頑張ったのです。レナのほうも可愛いのですよ。にぱー☆」
魅音「フッフッフ。予想通り、この二人が残ったねぇ。
   露伴さん、コメントをどーぞ。」

露伴「う、うーん。困ったな・・・。
   沙都子ちゃんのは、こっちが猫さんかい?」
   
   111 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 00:10:43.24 ID:+6qFz/a90
沙都子「・・・。そっちは犬さんですわ・・・。」
圭一「ぶわっはっはっはっはっはっ。
   こりゃあ、もう勝負がついたようなもんだなぁ、沙都子ぉ!
   あーっはっはっはっはっ。」

沙都子の目がうるうるし始めた。今にも涙がこぼれてきそうだ。
これはまずい。露伴はそう思い、圭一の犬(と思われる)を指差して言う。

露伴「そ、それより、圭一君のはこっちが猫さんだよな?」
圭一「そーっすよォ。露伴さん流石っすねェーやっぱ見る目がありますよ。
   沙都子ぉ、悪いなー。デザートは俺のものみたいだなー、あーっはっはっはっはっ。」
露伴「(だめだこいつ、はやくなんとかしないと・・・。)」

118 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 00:34:16.97 ID:+6qFz/a90
露伴「それじゃあ順位を・・・。
   ビリは・・・圭一君だ。」
圭一「ちょ、待ってくださいよ。なんで俺がビリなんですか?」
魅音「そうだねー、露伴さん、ちゃんと説明してもらえるぅ?」
露伴「・・・。
   君たちは知らないだろうが、ロシアの画家にニコラ・ド・スタールという人物がいる。
   1955年に亡くなったがね。彼の絵は抽象画でありながら、同時に風景画でもあってそのギリギリのせめぎ合いをテーマに描いている。
   沙都子ちゃんの絵にも同じものを感じた。彼女の絵は、猫の絵と犬の絵としてみればお粗末なものかもしれない。
   しかし、猫と犬の絵としてはかなり評価されるべき作品だ。どちらが猫でどちらが犬なのかわからない。
   そのせめぎ合いに僕は芸術性を感じた。僕の好みがわかると言うだけの事はある。
   ちなみに、圭一君のはどちらが犬か猫かわかるが、ただ下手なだけの絵だ。

   こんなところで、いいかい?」
魅音「へぇー、深いねぇ。流石漫画家さん。こりゃあお手本も期待できるかねぇ。」
圭一「くっそー、俺と沙都子の絵に何の違いがあるって言うんだ・・・。」
沙都子「をーっほっほっほっほっ。言ったはずですわよ、圭一さん。
    露伴さんの好みは知り尽くしていますと。」

露伴は少しだけ圭一に申し訳ないと思いながら、お手本の絵を描くのだった。

133 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 01:06:13.82 ID:+6qFz/a90
そのあとも露伴はリクエストに答えて沢山の絵を描いた。
沙都子はまるで自分が絵を描いているかのように大威張りして圭一と言い争っていた。
そこに魅音も加わり、泣きそうになった沙都子を庇ってレナが二人を張り倒す。
そんなコントのような展開に露伴も微笑をこぼすのだった。


沙都子「そうですわ。このあと露伴さんを学校に案内したかったんですの。
    みなさんで学校まで案内しませんこと?」
魅音「あー、そりゃいいねぇ。せっかくだしさ、露伴さんも混ぜてゲームでもしようか?」
圭一「ゲームぅ?学校にいくより魅音の家に行ったほうがいいんじゃねーのかぁ?」
沙都子「そういえば圭一さんはまだご存じなかったですわね。
    魅音さんの学校のロッカーにはゲームが沢山入ってますのよ。」
レナ「魅ぃちゃんのロッカーはすごいんだよ。四次元なんだよね。」
圭一「学校にゲーム持ってっていいのかよ。まぁ、魅音らしいけどさ。」
魅音「あはは。まぁ、そういうわけでいっぱいゲームがあるからさ。
   とりあえず学校で遊ぼうよ。ね?露伴さん。」
露伴「まぁ、僕は構わないよ。」
沙都子「それでは皆様、学校に向けて出発ですわよーっ!」
露伴以外「おーーーぅっ!」


やれやれ。まぁ付き合ってやるとするか。
竜宮礼奈に関しては今のところおかしな点はない。もう少し観察してみるのもいいかもしれないな。
それに、今年の祟りまではまだ時間があるしな。

この子たちと遊ぶのも・・・悪くない・・・。
142 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 01:26:38.28 ID:+6qFz/a90

■TIPS

----再び露伴の世界----

露伴が康一に電話をしてから数日。
ついに露伴の携帯が電波が通じなくなった。
ここ数日連絡がとれないことに不審を抱いていた康一はある人物に電話をするのだった。

とうおるるるるる、とうおるるるる、ガチャッ
康一「もしもし、承太郎さんですか?」
承太郎『あぁ、オレだが。久しぶりだな、なんか用かい?』
康一「実は、露伴さんが連絡が取れなくなったんです。
   連絡がとれなくなるまえに「オヤシロ様の祟り」という意味深な言葉を残していて・・・。
   もしかしたらスタンド使いと戦闘になった可能性も考えられるかと・・・。」
承太郎『わかった。露伴のやつが消えた場所はわかってるのか?』
康一「電話があったのは新幹線の中からですが、岐阜のほうに行くと言っていました。
   祟りっていうやつは、雛見沢という地域に関係があるとも言っていました。」
承太郎『・・・わかった。SPW財団で手を回しておく。
    明日からは会社は休んでくれてかまわないから、今すぐ雛見沢に向かってくれるかい?
    仗助のやつも呼んでおいてくれ。俺も今すぐ日本に飛ぶ。』
康一「わかりました。仗助君に連絡してみます。
   また、雛見沢についたら連絡します。」
承太郎『あぁ、わかった。また電話する。』

ガチャッ、プーップーップーッ

承太郎「露伴の野郎はスタンド使いとしてはトップクラスの能力者だ。
    その露伴が行方不明になるとは・・・ヤレヤレだぜ・・・。」

152 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 01:40:05.94 ID:+6qFz/a90
翌日、雛見沢には4人の姿があった。

仗助「おい、康一。本当に露伴はこんな辺鄙なところに行くつッてたのかよォ?」
億泰「あいつもなんつーか物好きだよな、こんな変なところに取材なんてよォー。」
承太郎「雛見沢村、1983年に火山性ガスの発生により住民が全滅した村だ。
    露伴はこの村の「オヤシロ様の祟り」を取材しに来たらしい。」
仗助「村人が全滅ッすかァー?俺そういうホラー系だめなんすよぉ。」
億泰「何?仗助苦手なの?俺はぜんぜんへーきだぜっ!馬鹿だからッ!」
康一「二人ともやめなよぉ。不謹慎だよぉ。」

4人は承太郎に誘導されるままに村の奥へと進んでいく。

157 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 01:50:28.10 ID:+6qFz/a90
承太郎「この奥が露伴の失踪場所だ。
    携帯会社に問い合わせたところ、この地点で電波が消えている。
    もちろん、電池切れなのか他の可能性なのかはわからんがな。」
康一「あっ、車が停めてありますよっ。」
承太郎「・・・。このナンバーは露伴がレンタルしている車だ。
    失踪場所はこの神社で間違いないようだぜ・・・。」

残りの3人の顔つきが一瞬で変わる。
さっきまでのおふざけ気分はどこかに吹き飛んだようだ。

承太郎「とりあえず、神社に行ってみるか。
    もし露伴がやられるほどのスタンドがいるのなら、手に負えないかもしれん。
    自分の身は自分で守れよ。」
仗助「スタープラチナを超えるスタンドがいるッつーんすかァ?」
承太郎「わからん。不意打ちの可能性もあるしな。
    しかし、露伴が真っ向勝負でやられたなら、その可能性もあるかもしれん。」
仗助「こいつァ、吉良んときよりでけぇヤマかもしんないッスねェー。」

158 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 01:54:30.09 ID:+6qFz/a90
4人は神社の社まで辿り着いた。

康一「承太郎さんッ!!
   この社の中の足跡、多分、露伴先生が履いていた靴じゃないでしょうか・・・。
   大きさも一致するし、こんな靴持ってた気がします。」
承太郎「ふむ、扉も壊されているし、社の中で走ったような足跡もある。
    この場所で何かの事件に巻き込まれた可能性は高いな・・・。」



シャンッ
鈴の音がした。

165 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:03:42.80 ID:+6qFz/a90
承太郎「何の音だッ!?」
康一「鈴の音ッ?」
仗助「承太郎さんッ、階段を降りていく少女がいたッスよッ!」
億泰「今のは巫女さんだったぜぇー。かぁいい〜いっ!!」

承太郎「この神社は無人のはずだぞッ!!追いかけるんだッ!!」

4人が一斉に走り出す。
階段の上から見下ろすと確かに少女が一人、階段を降りていた。
承太郎達に気づいたのか、後ろを振り返った後、走り出した。

億泰「俺の出番だぜぇーっ。ザ・ハンドッ!!
   空間を削り取るッ!!!」

171 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:16:45.48 ID:+6qFz/a90
しかし、いくら億泰のザ・ハンドが空間を削り取っても少女は引き寄せられてこない。

億泰「ど、どーいうことだよぉー。俺のスタンドが効かねぇー。」
仗助「康一ィ、あとで治してやっから、勘弁しろよォ?
   クレイジー・ダイヤモンドッ!!ドラァ!!!」

仗助はそう言うと、スタンドで康一を掴み、全力で投げ飛ばす。

康一「あーもう、仗助君ってば、了解くらいとってくれよなぁ。
   だけど・・・これで追いついた・・・射程距離5m以内・・・。
   エコーズACT3・FREEZE(フリーズ)ッ!!」

175 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:26:04.94 ID:+6qFz/a90
それでも少女は階段を駆けていく。
康一もなにがなんだかわからない。

康一「Act3!!あの少女を止めろッ!!射程距離から出られるぞッ!!」
ACT3「申し訳ありません。先ほどから・・・やっているのですが・・・。」
康一「な・・僕のスタンドも効かないだと・・・?
   承太郎さんッ!!駄目です!!僕の能力も効きませんッ!!!」

康一は叫びながら草むらに突っ込む。

承太郎「野郎・・・、飛べッ、仗助ッ!!
    こうなったら力ずくで止めるしかないッ!!」

承太郎と仗助はスタンドを使って石段の上から飛び出す。
少女はもう露伴の車に到達しているようだ。露伴の車の中から何かを漁っている。

180 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:33:55.41 ID:+6qFz/a90
少女は車のなかに手を入れて漁っているようだ。
少女の手は車の壁を貫通している。

承太郎「鉄板をすり抜けてやがるッ!!スタンドだッ!!
    容赦するなッ仗助ッ!!!」
仗助「承太郎さん、もう俺が手加減してられるレベルじゃあねーッスよ、こいつァ。
   クレイジー・ダイヤモンドッ!ドララララララララァアアーーッ!!!」

仗助のスタンドが石段の石をもぎ取り、投げつける。

ドグシャァアアッ、ゴォゥン、グァッシュワアアアアン!!
露伴の車へ次々と石が突き刺さる。

184 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:39:20.94 ID:+6qFz/a90
しかし、少女に命中するはずの石は少女の体をすり抜けていく。

仗助「ま、まじかよォ!!」

承太郎「ヤレヤレ・・・、この距離なら間に合いそうだぜ。
     スタープラチナ・ザ・ワールドッ!!」

承太郎が時を止める。

承太郎「見た目はガキだが・・・容赦しねぇぜ。
     オラァッ!!」

ドグシャァッ!!!

187 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:46:25.22 ID:+6qFz/a90
スタープラチナの拳が露伴の車にぶち当たった。
少女の背中から胸をすり抜けている。

承太郎「なっ・・・、スタンドでの直接攻撃が効かないのか。
    くっ・・時は動き出す・・・。」

そう、時は動き出すはずだった。しかし、動き出さない。
承太郎の体が動かなくなる。

承太郎「(こ、こいつ・・・時を止められるのか?)」

スタープラチナの腕は少女の背中をすり抜けたままだ。
その止まった時の中、少女は承太郎のほうを振り返る。

承太郎が目があったと思った瞬間、時が動き出し、少女は消え去っていた。

192 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/26(水) 02:52:36.62 ID:+6qFz/a90
仗助「承太郎さんッ!消えちまいましたよッ!
   やったんスかぁ?」
承太郎「い・・いや・・。おそらく逃げられた・・・・。」
億泰「おい仗助ェ、捕まったかぁー?」
仗助「いや、逃げられちまったみたいだ。」
承太郎「仗助、はやく康一君を治してやれ。」

仗助はすっかり忘れていたようなジェスチャーをとると、康一を探しに走り出していった。

億泰「承太郎さん、今の子はなんだったんすかねェ。
   すっげーかぁいい子でしたぜぇ。」
承太郎「・・・。
    ヤレヤレだぜ・・・。」
    
    
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