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142 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:20:02.19 ID:SkilSIER0
  1983年(昭和58年)
       6月20日(月)

露伴は早朝に魅音に起こされた。魅音は昨日頼んだ時間にきっちりと起こしてくれた。
沙都子や梨花が学校に行く前に家に戻り、着替えや風呂を済ませたかったからだ。

露伴「それじゃあ、お邪魔したね。お魎さんにもよろしく言っておいてくれよ。」
魅音「うん。それじゃあまたね。」
露伴「あぁ、またね。」

露伴はそう言い、門から出ようとした。

魅音「露伴さんッ・・・ちょっと待って。」
露伴「うん?なんだい?」
魅音「また、会えるんだよね?
   綿流しも終わっちゃったけど、すぐ帰っちゃったりしないよね?」
露伴「あぁ、もう少しはいるよ。それに、お別れの時にはちゃんと挨拶に来るから心配するなよ。」
魅音「う、うん・・・。」

露伴はそれだけ答え、門から出て行った。

144 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:21:05.33 ID:SkilSIER0
家へと戻ると、沙都子は既に起きて朝食の準備をしていた。

露伴「ただいま。」
沙都子「あら、お帰りなさいませ。
    ちょうどご飯ができるところですわよ。」
露伴「あぁ、そのまえにちょっとシャワーを浴びてもいいかい?」
沙都子「そのくらいの時間ならありますわ。
    それじゃあ露伴さんが出たら朝食にしましょうかしら。」

露伴は風呂場を借りることにする。
この時代のシャワーは温度が安定しないんだよな。
そんな愚痴を考えていると、扉からにゅっと人が入ってくる。

露伴「う、うわ、な、なんだぁッ!?」

145 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:22:13.78 ID:SkilSIER0
流石の露伴もこれには慌てて前を隠す。
入ってきたのは羽入だった。

沙都子「露伴さーん、どうかしましたのー?」
露伴「い、いや、なんでもないよ、すまない。」

つい声を出してしまったので沙都子に返事をしておく。
それからはスタンドで聞こえないように会話した。

露伴「なんだよ、覗きのつもりか?」
羽入「僕は露伴の体になんて興味ないのですよ。」
露伴「ふん、僕だっていきなりでびっくりしただけさ。」

露伴はそういうと、羽入にかまわずシャワーを浴び続ける。
羽入は興味がないといいながら頬を赤らめていた。

146 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:24:00.99 ID:SkilSIER0
露伴「で、何の用だよ?」
羽入「富竹と鷹野は・・・どうなったのですか?」
露伴「鷹野は何も知らないが、昨日園崎家に富竹がどうのこうのって電話がかかってきていた。
   おそらく、祟りで死んだんだろう。」
羽入「やはりですか・・・。」
露伴「用はそれだけか?」
羽入「露伴でも祟りを食い止めるのは無理なのですね。」
露伴「・・・。」
羽入「用はそれだけなのです。ボクももう露伴にくっついているのはやめますです。
   もし、真相がわかったなら教えてほしいのです。」
露伴「それは、この岸辺露伴が真相を暴けないと、そう言いたいのか?」
羽入「露伴がこの世界に来て一週間が経ちました。
   もっとも手がかりになりそうな鷹野ももういないのです。
   梨花が死ぬまであと数日しかないのですよ。」
露伴「ようは期待はしてないってことか。わかったよ。ほら、出てけよ。
   人に見られながらシャワー浴びるのは気持ち悪いからな。」

露伴はそうして羽入を追い出す。
あと数日か・・・入江が真相を知らなければ・・・鷹野に会うしかないのか。
既に死んでいるはずの鷹野三四に。

149 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:25:02.40 ID:SkilSIER0
シャワーを出ると、既に梨花も起きており食卓の準備は終わっていた。
沙都子にせかされながら朝食を食べる。学校へ向かう時間が迫っているそうだ。
遅刻させるのは悪いので急いで朝食をとり、沙都子達を学校へと送り出した。
羽入も梨花の後ろについて学校へと向かっていく。
露伴は一人境内に残された。

露伴「いつもうるさいやつがいないと静かでいいな。」

露伴がそんな嫌味を言っても、誰も答えてくれなかった。
やっと露伴も自分が一人であることを実感する。
ここ一週間、常についてきていた羽入がいなくなったのには不思議な感覚がした。

いつまでもここにいてもしょうがない。
露伴は入江診療所へと向かうことにした。

150 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:26:15.67 ID:SkilSIER0
幸い、今の露伴には診療所へと向かう理由がある。
左手の消毒をしてほしいとでも言えば大丈夫だろう。
保険証はないが、金はいくらでもある。昨日の屋台で2007年の一万円札を使い込んだからだ。
もちろん、ホログラムの部分などは入念に削り取っておいた。
保険証は自分の家に忘れてきたとでも言えばいいだろう。

露伴は診察時間までかるく時間をつぶしてから診療所へと向かった。

診療所へ着くと、診察時間ちょうどにもかかわらず沢山の年寄り達がいた。
まぁ田舎の病院なんてこんなものだろう。
受付に名前と保険証がない旨を伝えて待つことにした。

自分の番が来るまでは新聞でも見てみる。
富竹の死は書いていない。そういえばこの新聞。
2007年の図書館でも見たな。

152 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:26:52.38 ID:SkilSIER0
看護士「岸辺さーん。こちらへどうぞー。」

かなり長い時間を待つと、露伴の番がやってきた。
看護士に通され、診察室へと向かう。

入江「こんにちわ、露伴さん。変わったお名前なのですぐにわかりましたよ。」
露伴「こんにちわ、ちょっと左手を見てもらおうと思いましてね。
   よろしくお願いします。」

露伴が椅子に座ると、入江は看護士になにやら命じた。

入江「保険証がないということですが、よろしいんですか?
   一応ですね、保険証をあとからコピーして郵送していただくこともできますが。」
露伴「いえいえ、ご迷惑になると思いますので、大丈夫ですよ。」

看護士が露伴の左手を置く台を持ってくる。
入江はその上に左手を乗せ、包帯をとっていった。

155 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:30:22.13 ID:SkilSIER0
入江「これは・・・爪が・・・。いったいどうしたんです?」
露伴「それは伏せさせてほしいと前に言ったと思いますが。
   化膿したりしないように、消毒してもらおうと思いましてね。」
入江「露伴さん、私は医師として事件性のありそうな怪我に関しては警察に報告する義務があります。」
露伴「医師法ではそこまで定められていなかったと思いますが・・・」
入江「私個人が医師として報告すべきであるという考えを持っているんです。」
露伴「まぁ、別にそこまで隠すほどのことではないんですが・・・。
   んー、医師の入江先生にではなく、友人として話したい内容ですね。
   よかったら、今日のお昼ご一緒しませんか?」
入江「お昼ですか・・・。えぇと、ちょっと今日は忙しいんですが。」
露伴「そうですか。とりあえず、治療をお願いしてもいいですか?」
入江「えぇ、わかりました。」

話す約束をしたため事件の疑いはあまりないと思ったのだろうか。入江は露伴の爪に処置をする。
といっても化膿していたりするわけではないので簡単な処置で済んだ。
大して時間はかからずに新しい包帯が巻きつけられた。

156 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/20(日) 23:32:40.10 ID:SkilSIER0
入江「これで大丈夫だと思います。
   すでにかなり治ってきていますので、様子を見て包帯をとっても結構ですよ。」
露伴「ありがとうございました。
   それでは今日は失礼しますね。」
入江「えぇ、お大事に。」

露伴が立ち上がったので診察室から出て行くと思った入江は目を逸らした。
しかし、なぜか露伴の体が入江の真横まで近づいてきていたことに気づく。
露伴は入江以外には聞こえないように小さな声で話しかける。

露伴「この前お渡しした封筒、誰にも見つからないように開けてくださって結構ですよ。
   内容も誰にも見られないようにしてくださいね。」

露伴はそう言うと、入江から離れ、本当に診察室から出て行こうとした。
そして扉から出るところでもう一言口を開いた。

露伴「僕は今からお昼ごろまでは神社にいます。
   気が変わったら、来てくれると嬉しいですね。ふふふ。」

露伴はそれだけ告げて診察室から出て行った。
入江は露伴から渡された封筒を思い出すが、所長室に置いてあるためすぐに開けることはできなかった。

226 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 00:58:13.49 ID:zkfK4uZq0
診察を終えた露伴は入江に伝えたとおり神社で待つことにした。
診療所から神社へと戻る。戻る途中に偶然すれ違った村人が露伴に声をかけてきたりもした。
昨日の祭りで顔が売れたんだろうか。ちょっと気分がいい。

神社に戻り、入江が来るのを待つ。
診察終了の時間も過ぎたが一向に入江が来ない。
露伴が自分の予想が間違っていたかと思い情報を整理していると、やっと入江が現れる。

露伴「おっと、入江先生。遅かったですね。」
入江「・・・。」

入江は厳しい顔をしている。それを見て露伴は手紙を読んだことを察した。

露伴「手紙にも書きましたが、僕はあなたの敵じゃあない。
   とりあえず、お昼でも食べに行きませんか?おなか減ってるんですよね。」
入江「えぇ、そうしましょうか。」

入江に案内され、入江の車へと乗る。
露伴は終始無言だった。入江の出方を探っているのだろう
入江もそれは同じで露伴の出方を探っているようだ。
我慢できずに動いたのは入江だった。

227 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 00:59:24.94 ID:zkfK4uZq0
入江「なぜ、知っているんですか?」
露伴「質問に質問で返すようで悪いけど、何に関してです?
   心当たりがたくさんありすぎてね。くっくっく。」
入江「・・・梨花ちゃんから聞いたのですか?」
露伴「まぁ、それもありますね。
   
   次に、アンタはなぜ二人を助けてくれなかったのか、と言う。」
入江「なぜ二人のことを警察に・・・ハッ!!」
露伴「ふふふ、入江先生。僕の言うこと、なんでも信じてくれますか?」
入江「内容に・・・よります。」
露伴「話すと長くなるんですが、どうしますかね。」
入江「午後は空けてきました。遅くなったのは職員に午後を任せるためです。」
露伴「それはありがたい。時間があるのであれば、食事の間は友人として仲良くできそうですね。」
入江「友人として、ですか・・・。」

入江の車は雛見沢にある蕎麦屋へと入っていった。
診療所でもよく出前を取るお薦めの店だと言う。

229 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:00:20.05 ID:zkfK4uZq0
時間が遅いせいか、客は露伴達だけだった。
だが、店員に話を聞かれる可能性もあるため祟りに関する話はしたくない。
露伴は食事の間は友人として話すことがあるといい、爪の件について話した。

入江「それで、お祭りの日は大人たちが沙都子ちゃんに普通に接してくれていたんですか。」
露伴「まぁ、そんなところです。
   どうやってお魎さんが沙都子ちゃんを許したのが広まったのかは僕は知らないですがね。」
入江「・・・先ほどは、あなたに失礼な態度をとって申し訳ない。」
露伴「なんのことです?」
入江「あなたにこうしてお礼を言うのは2度目ですね。
   沙都子ちゃんと救ってくれてありがとうございます。
   私はあなたが沙都子ちゃんを救ってくれた恩人だということを忘れていました。
   あの手紙の内容だけであなたを疑ってしまった・・・。」
露伴「ふふふ。まぁ、話を聞いてもらえそうでよかったですよ。」

露伴に対する不信感が和らいだのか、入江は少しリラックスしたようだった。
二人は蕎麦をすすりながら、沙都子について話すのだった。

230 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:01:21.78 ID:zkfK4uZq0
やがて食事を終えて二人は店を出る。

入江「どこでお話しますか?」
露伴「人に聞かれない場所ならどこでもいいんですが、入江先生に任せますよ。」
入江「私の家に行きましょうか・・・。」
露伴「お任せします。」

こうして露伴は入江の家へと案内された。
入江の家は興宮にある平凡なアパートだった。
男の一人暮らしならこの程度だろう。いや、医師にしては質素な家だろうか?
入江に案内されるままに露伴は家へと入った。

入江「コーヒーかお茶くらいでしたら用意できますけど、どうしますか?
   紅茶もありますよ。」
露伴「紅茶でお願いしようかな。」

入江は台所へと向かい、露伴の紅茶と自分のコーヒーを用意してきた。

232 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:02:23.15 ID:zkfK4uZq0
入江「それでは、お話を聞かせてもらえますか?」
露伴「実は、僕、未来から来たんですよ。
   って言ったら、信じますか?」
入江「ははは、流石にそれは無理がありますよ。
   タイムマシーンでも見せてもらえれば信じなくもないですが。」
露伴「やっぱりそうですよねぇ。
   それじゃあ、僕の言うことが嘘ではないと証明するのと、
   僕の知っていることをすべてお話しするの、どっちが先がいいですか?」
入江「それは、証明を先にしてもらえれば何でも信じますが、本当に未来から来たと言うんですか?」

入江は自分が馬鹿にされていると思ったのか、少しいやな顔をした。
露伴はかまわずに説明をする。

露伴「入江先生、僕は"スタンド"という超能力を持っています。
   これからその超能力をあなたにお見せします。それで信じてもらえませんか?」
入江「超能力が未来から来たことの証明になるのでしょうか?」
露伴「あの手紙が未来から来た証明のつもりだったんですがね。
   超能力と手紙では信じてもらえませんか?」
入江「それは・・・詳しい話を聞かないとわかりません。」
露伴「そうですね、それではまずは"スタンド"を体験してもらいましょうか。」
入江「は、はぁ・・・。」

234 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:03:45.40 ID:zkfK4uZq0
入江は多少は真面目に返答をしたものの露伴の言うことをあまり信じられなかった。
いくら沙都子の恩人だろうとも、未来から来たと言い出したならそれは異常者にしか見えない。
当然である。

露伴「疑ってくださって結構です。僕の"スタンド"の能力は、
   『他人の体に残された記憶を読む。』です。
   本人が忘れてしまった記憶だろうと、覚えている記憶だろうと、
   体験したことなら全てを読み知ることができます。これから、あなたの体の記憶を読んでみます。
   そして、あなたしか知りえない僕が知るはずのないことを調べてみましょう。」
入江「はぁ・・・たしかに僕しか知りえないことがわかるのなら、超能力を認めざる終えませんが・・・。」
露伴「そう、疑ってくれてていいんです。僕がこれから証明するんですから。」
入江「それでは、どうぞ記憶を読めるというなら読んでください。」
露伴「わかりました。記憶を読んでいる間はあなたは意識を失います。
   危害は加えませんのでご安心を。それでは・・・。」

────天国への扉(ヘブンズ・ドアー)ッ!!

249 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:22:20.68 ID:zkfK4uZq0

■TIPS

----露伴からの手紙----

入江京介様へ

これを開いているころにはもう綿流しは終わっているはず。
いまは6月20日か、それよりもっと後かな?まぁ、どうでもいいか。

まず、先に言っておく、多分僕はあんたの敵じゃあない。
あんたが鷹野と富竹を殺したのでなければね。

もし、鷹野と富竹を殺したのがあんたなら、それはそれでおもしろい。
僕も殺しに来てくれよ、ふふふ。まぁ、僕の推理ではその可能性は低いんだけどね。
だから、一応あんたが犯人じゃないという仮定で話させてもらうよ。

鷹野と富竹の件については、山狗またはそれ以上の組織が関わっている可能性が高い。
なのでこの手紙に関しては山狗や診療所の職員には知らせないでほしい。
詳しくは二人きりで話そうじゃないか。なぜ山狗が関わっている可能性が高いのか話すよ。

いや、なぜ山狗のことや、富竹と鷹野が殺されることを知っているかの説明のほうが先になるかな?
とりあえず、人に話を聞かれない場所で二人で話がしたい。
二人で話をしたあとに、僕が信用できないなら山狗に言うなりなんなりしてくれてかまわない。
だから、僕から話を聞く前に山狗に言うのは勘弁してくれよ?

君が僕の願いを聞いてくれることを祈っている。

                  1985年6月18日 岸辺露伴

251 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/21(月) 01:24:07.94 ID:zkfK4uZq0
----露伴からの手紙2----

園崎お魎さまへ

綿流しの次の日にこの手紙を開いていてくれているでしょうか?
今年のオヤシロさまの祟りは富竹ジロウと鷹野三四の二人が死にます。

これが僕がオヤシロ様の使いとして未来から来たことの証明です。
二人の死を阻止されるのは困るのでこういった形で伝えさせてもらうことになりました。
来年以降はオヤシロ様の祟りは起こりませんのでご安心ください。

                  1985年6月17日 岸辺露伴

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