×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

93 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:40:11.55 ID:RGGpyKaB0
『第1小隊より本部。営林署の滅菌を終了。脱走者4名は射殺。』
『第2小隊より本部。滅菌終了。脱走者なし。』
『第3小隊より本部。脱走者10名以上。現在掃討中。制圧は時間の問題。』
『第4小隊より本部。滅菌終了。脱走者なし。』

『第3小隊より本部。脱走者13名全員の射殺を確認。滅菌を終了。』
「了解。機密保持部隊の全小隊は遺体数と点呼数の確認を厳重に行われたし。」

鷹野は、滅菌が始まるまでは不機嫌だった。
岸辺露伴という謎の男に自分達の計画を引っ掻き回された。
そして、その男は計画を止めることができるにもかかわらず、姿を消した。
計画を止めずに。それが不愉快でしょうがなかった。

だが、滅菌が始まってからは急に上機嫌になる。
彼女の振るうタクトは、他の世界と同じく、死の葬送曲を奏でた。

「三佐、滅菌の完全終了を確認。通信妨害を終了しますがよろしいですか。」
「えぇ、いいわよ。くすくす・・・。」

94 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:41:05.47 ID:RGGpyKaB0
『施設処理部隊より定時連絡。機密搬出と・・・』

指揮車の中は続々と作戦の段階の進展の報が告げられている。
だが、1人の男が、鷹野の上機嫌を損なう話を持ってやってくる。
その男は、小此木だった。

小此木「上機嫌ですんね、三佐。例の件のお話があるんですが、」
鷹野「あら、邪魔しないで頂戴よ。この新たな神を讃える最高の讃歌を。」
小此木「讃歌ですか・・・。
    申し訳ありませんが、うちらも仕事ですんね。」
鷹野「わかったわ、行けばいいんでしょう?」

鷹野はそう言うと、指揮車の出口へと向かう。
彼が言う、例の件とは、鷹野を不機嫌にさせた男。岸辺露伴の話に違いない。
小此木がすぐに用件を言わないことから、他の隊員の前では話せない話なのだろう。
そう鷹野は考えた。

96 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:42:22.75 ID:RGGpyKaB0
指揮車は営林署の敷地内に停めてあった。
もっとわかりやすく言うなら、雛見沢分校のグラウンドに停めてあった。
鷹野と小此木は校舎裏へと進んでいく。
校舎裏の中ほどまで進み、鷹野は歩みを止めた。

鷹野「このへんでいいでしょう?
   やつは、岸辺露伴はまだ見つからないの!?」
小此木「そ、そいつぁ申し訳ないんですが・・・。
    やはり診療所を襲撃したあとの足取りは掴めませんね。」
鷹野「・・・。」
小此木「・・・。」
鷹野「なに?それだけの報告の為にここに呼び出したの?」
小此木「いえ、違いますんね。
    実は三佐に来て貰ったんは、お願いがあるんですわ。」
鷹野「お願い?先に言っておくけど、お金はもうないわよ。
   これ以上の報酬の件は、東京の野村にでも言いなさい。」

鷹野は小此木が土壇場にきて、さらなる金銭を要求してきたのだと思った。
口止め料というやつだろうか。
小此木は答えずに、自分の胸のポケットから何かを取り出す。

それは、一丁の拳銃だった。

97 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:43:30.86 ID:RGGpyKaB0
鷹野はなぜ小此木が銃を取り出したのかわからず、何もしゃべらない。
小此木も鷹野を無視し、拳銃をいじり弾倉を確認する。

小此木「三佐。一発だけ弾が入ってますん。
    こいつで自分の頭ぁ、ブチ抜いてくれませんか?
    お願い言ぅんは、これなんですわ。」

小此木はそう言いながら、笑顔で拳銃を鷹野に差し出してきた。
その小此木の笑顔のせいで、鷹野が状況を理解するのが遅れる。

鷹野「な・・・何?・・・これで頭・・・?

   ッ!!で、できるわけないでしょッ!!」
小此木「三佐。これは俺のせめてもの情けですん。
    女王の死後、そろそろ24時間経過しますんね。
    三佐が発症してもおかしくない時間です。」
鷹野「私が、発症すると言うの・・・?」
小此木「富竹二尉の予防薬が効かなかったんですから、ありえないことじゃありませんね。
    女王の死後、三佐は雛見沢症候群を発症し、錯乱。
    その場にいた俺達と銃撃戦になり、やむなく射殺。
    そうなる予定なんですわ。」

98 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:44:19.92 ID:RGGpyKaB0
小此木が俺達という言葉を使うと、鷹野を囲むように暗闇から男2人が現れる。
小此木を含め、3人で鷹野を囲む形になった。

鷹野「何を言ってるのよ!
   富竹のは私達がニセの注射を!
   それに、私が発症するならあなた達もッ!」

鷹野はまだ状況が理解できない。
いや、理解できていても認めたくないのだろうか。
だから、小此木ははっきりと言ってやる。

小此木「三佐が発症しようが、しまいがどっちでもいいんですわ。
    これは東京の野村さんが三佐を始末するために考えた予定ですんね。
    だから、滅菌とは関係ないんですわ。」
鷹野「嘘・・・野村・・・さんが・・・・。」

99 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:45:40.80 ID:RGGpyKaB0
小此木「俺にも恩を感じる気持ちくらいはありますんね。
    ですから、自分で一発。華々しく散ってもらえやしませんか?
    それなら、三佐は自らの行いに耐えられず自殺ってことになりますんでね。」
鷹野「なんで・・・なんで私が死なないといけないのよ・・・。」
小此木「当初の予定は、タイミングがあれば始末しろってことだったんですがね。
    あの大石とかいう刑事のおかげで予定が狂いましたわ。三佐の偽装殺人がバレたんですわ。
    すったらん、野村さんは三佐を確実に消せ、と言いますんでね。」
鷹野「嘘・・・嫌・・・嫌よ。そんなの嫌ッ!!」

激昂した鷹野が小此木に襲い掛かろうとする。
だが、小此木の指は躊躇なく引き金を引いた。

パァン

小此木「恩は感じますがね、容赦はできないんですわ。」

104 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:49:31.91 ID:RGGpyKaB0
引き金を引いた後、小此木は銃をしまった。
そして、一度だけ敬礼の仕草をした。

小此木「よしっ、急げッ!」

小此木が部下に命じると、部下は動かなくなった鷹野に銃を持たせ、引き金を引く。

パァン


パァン

小此木「よし、これで硝煙反応は残るな。
    銃を使用したのは俺とおまえの二人、計2発。
    最初の1発は三佐がこっちに向かって撃った。
    2発目はこっちの威嚇射撃だ。わかったな。」






「なるほど、これがトカゲの尻尾きりってやつか。」

105 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:50:31.44 ID:RGGpyKaB0
小此木「あぁんッ!?誰だッ!?」

小此木たちは周囲を警戒していた。事情を知る隊員は少ないほうがいい。
他の者が近くにいないことに注意を払っているはずだった。

露伴「僕だよ。僕。岸辺露伴さ。」

露伴が暗闇から姿を現す。
小此木を含む、3人が一斉に露伴へと銃を向けた。

小此木「ちょうどいいところに来たんね。
    貴様を殺せば、俺の仕事も全部終わりになる。」
露伴「ふふふ。そりゃあお疲れ様だな。」
小此木「何者なのか・・・殺す前に教えてもらおうか。」
露伴「僕かい?僕は・・・、オヤシロさまの使い。
   君を殺す人間だよ。(天国への扉(ヘブンズ・ドアー)ッ!!)」

ドシュッ
"死ぬまで喉を掻き毟る"

107 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:51:36.01 ID:RGGpyKaB0
小此木「ッ!?あ・・・んぅッ!?
    て、手が勝手に動ぐぞヴぉ・・・。」
露伴「富竹も、鷹野も、入江も死んだ。
   アンタだけ生き残るっていうのは、
   ・・・どうもフェアじゃあないんじゃないか?」

小此木は銃を投げ出し、喉をバリバリと掻き毟り始めた。

小此木「がぁどぉ、どヴぇっぼ、どべ・・・ろ・・・。」

小此木の腕力で全力で喉を掻き毟るものだから、声が声にならない。
だが、隊員の1人が、小此木の意思を汲み取り、小此木の手をとめようとする。

だが、とまらない。両腕で小此木の左手を止めようとしても、それでもとまらない。
いくら小此木が体を鍛えているといっても、自分だってそこそこの腕力だ。
その自分が両腕で左手を止められないなんて、どう考えても異常な状態だった。

「く・・・そ、止まらねぇ。何をしやがったぁあッ!」

もう1人の隊員も事態の異常さに気づく。
彼は、露伴を排除することが事態を好転させる唯一の方法だと考え、引き金を引いた。

パァン

108 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:52:28.74 ID:RGGpyKaB0
しかし、発射された銃弾は校舎の壁に突き刺さった。

パァンパァン

何発撃ってもかわらない。露伴の体をすり抜け、校舎の壁に傷を増やす。

露伴「おっと、この世界に居られる限界のようだな。体が透けてきた。
   富竹、入江、山狗・・・。」

露伴は指を折りながら何やらブツブツと喋りだした。

露伴「・・・そしてソイツ。9回目で限界か。
   なるほど、オ"ヤ"シロさまって名前は本当らしいな。
   ふふふふ。」

そう言うと、露伴の体は完全に消えた。

109 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/29(土) 22:53:22.65 ID:RGGpyKaB0
銃声を聞きつけた別の隊員達が駆けつけてくる。

「今の銃声はなんだーッ!?どうしたぁーッ!?」

彼らが到着した現場には、何が起きたのかまったくわからない光景が広がっていた。
銃を握り締め、横たわる鷹野。喉に手をあて、血を口から噴きだして倒れる小此木。
その横で、怯えるようにうずくまり、ブツブツと何かを呟く隊員。
また、別の隊員は壁に向かい弾の空になった銃の引き金を引き続けていた。

「おいッ!どうしたッ!何があったッ!」
「ひ、ひぃぃいい〜、そこに露伴が・・・岸辺露伴がぁぁっぁああああッ!!!」

銃の引き金を引き続ける隊員は、まるで幻覚でも見ているかのように、
何もない空中を指差して怯えていた。

「ごめんなさぃぃい。オヤシロさま。ごめんなさい、ごめんなさい。
 祟らないでください。俺達がぁ・・・俺達が悪かったんです。ひぃいい。」

うずくまった隊員も話しかけられても、会話が成立しない。
二人とも錯乱状態だった。

「巡回班より、本部。巡回班より本部。
 校舎裏で発症した隊員を発見。2名を確保した。
 発砲したのは彼らの模様。鷹野三佐と小此木二尉も倒れている。
 医者をよこしてくれ。

 ・・・多分、無駄だと思うがな。」

無線をする隊員は彼らの様子を見て、そう呟いた。

CHAPTER39へ
TOPへ