3 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:28:32.57 ID:03jSuYfb0
羽入「ロハン、ロハンの推理を聞かせてほしいのです。」
露伴「だめだ。まだ確信があるわけじゃあない。
   僕が考える犯人の動機が見つからないからな。」
羽入「ずるいのです。ちょっとくらい教えてくれてもいいのです。」
露伴「しかたないな・・・。じゃあ軽く教えてやるよ。
   それじゃあ、梨花を"常に"殺す犯人を真犯人と呼ぶことにしよう。
   ここでは、症候群を発症して梨花を殺す人間や、
   その他なんらかの低い確率で梨花を殺す人間のことは考えない。」

4 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:30:10.21 ID:03jSuYfb0
露伴「真犯人が誰かを考える前に、
   まず、梨花の置かれている状況を考える。
   彼女は女王感染者とされている。彼女が死ねば村人は発症し大惨事を巻き起こす。
   そのため、彼女は自衛隊の特殊部隊「山狗」に護衛されている。
   ここまでは、間違いないな?」
羽入「はい、間違いないのです。」
露伴「そして、梨花の周りの状況は、綿流しの日に変化する。
   監査役の富竹ジロウ、診療所所属の鷹野三四が死亡するわけだ。
   事件当初、これらの殺人は、例年のオヤシロ様の祟りだと周りに受け取られるだろう。
   例年通り、雛見沢で殺人事件がおきた。すると、山狗はどうする?」

5 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:31:47.37 ID:03jSuYfb0
羽入「山狗がですか・・?」
露伴「例年通り、殺人事件が起きた。犯人は捕まっていない。
   過去の例から考えると、犯人は雛見沢症候群の発症者の可能性もある。
   また、仮に雛見沢症候群の発症者ではなかったとしても、ただのカメラマンを装っていた富竹が襲われている。
   梨花が突発的に襲われる可能性は十分あるわけだ。
   監査役が村内で死亡するという失態を犯している山狗は梨花の警備を厳重にする。
   違うかい?」
羽入「富竹は雛見沢症候群が発症したような形跡もあるのです。」
露伴「あぁ、大石さんから変死体ということは聞いている。だが、数人に暴行を受けた形跡もあったそうだ。
   数人に暴行を受け、精神的ストレスで発症。直接的な死因がなんだったにしろ、富竹が襲われた事実は変わりない。
   また、鷹野三四も自殺の可能性もあるかもしれないが、他殺の可能性もかなり高かった。
   梨花の安全を考え、山狗が警備を強化するには十分な理由だと思うが。」

7 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:33:15.17 ID:03jSuYfb0
羽入「確かに、その通りなのです。梨花が死ぬ前には山狗があわただしくしていたのです。」
露伴「さて、ここでやっと真犯人が誰か考えることができるんだが・・・。
   誰が山狗の警備をかいくぐって梨花を殺せる?」
羽入「そ、それは・・・。あぅあぅ。わからないのです。」
露伴「ふんッ。ここまで言ってもわからないのか。
   君らは、何度も転生しているが、いままで梨花が真犯人から生き残ったことはない。
   つまり、山狗が警備を厳重にしたにもかかわらず、真犯人は100%梨花を殺せる。
   すると、真犯人は、山狗を圧倒的に越える能力を持った組織か、山狗自身か、どちらかだ。」
羽入「山狗が・・・犯人かもしれないのですか・・・?」
露伴「僕の推理だとそれ以外に犯行を行えるやつらがいないってだけだ。
   もしかしたら、他にも犯行が可能なやつらを見つけることができるかもしれないが・・・。
   現時点ではそれ以上はなんとも言えない。前に言ったように動機もわからないしな。」
羽入「あぅあぅ・・・。でも、山狗は味方のはずなのです・・・。」
露伴「だから、山狗以上の組織かもしれないって言ってるだろ。
   あとは、正確には山狗ではなく自衛隊の部隊で山狗が味方だと思ってるという可能性もなくはないが・・・。
   これ以上はまだ調べてみないとわからない。もうこの話は終わりだ。。」

8 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:35:17.58 ID:03jSuYfb0
この露伴は嘘をついている「味」だぜッ!!

そう、露伴は羽入に全てを教えなかった。
彼の中ではもうひとつの点が繋がっていることを。
羽入達が知らない、露伴だけが知る事実。

鷹野三四の死亡時刻のズレから露伴がもうひとつの推理をしていることを。

9 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:36:11.94 ID:03jSuYfb0
鷹野三四の死亡時刻のズレは大石からの情報だ。
鷹野三四は綿流しの祭りの会場に現れ、それを大石自身も確認している。
そしてその夜に岐阜県山中で焼死体で発見された。
死亡推定時刻は死後24時間以上経過というものであり、
死亡からの時間経過が少なく、当時の検死でも精度の高い内容だった。

夕刻〜夜に祭りに訪れた。
だが、死んだのはその日の朝以前。

10 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:37:12.58 ID:03jSuYfb0
露伴はこの事実を以下のように推理した。

この死体は鷹野三四の死体ではない。
大石が言うには、鷹野三四の身元確認は医療機関に残った歯型の確認によるものであり、精度は高い。

だが、自衛隊の特殊部隊、またはそれに匹敵する組織なら。
この"鷹野三四の死亡"が事前から緻密に計画されたものだったとしたら。
歯型を偽装している可能性がある。歯型にあった偽装死体を用意できる可能性がある。


露伴は考える。
鷹野三四は死亡していない。もし、それが事実なら。
それが、山狗の協力なのか、山狗を越える組織の協力なのか、どちらなのかはわからない。
だが、鷹野三四が実行犯である可能性は高いし、少なくとも、真相を少なからず知っている。
鷹野三四に接触する必要がある。

11 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/30(日) 13:37:48.81 ID:03jSuYfb0
露伴の推理を聞いてから羽入は無言だった。
二人は黙ったまま神社の階段まで辿り着いた。

羽入「おかしいのです・・・。」
露伴「何だ?僕の推理に文句があるってのかよ。」
羽入「ちがうのです。沙都子の・・・沙都子自転車だけないのです。
   梨花の自転車はあるのに・・・。」
露伴「先に帰ってきただけじゃあないのか?
   とりあえず、家に行けばわかるだろ。さっさと行くぞ。」
羽入「あぅあぅ・・・。」

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