382 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/07(月) 23:59:09.78 ID:bO6a4Wci0
校長の鳴らす鐘が授業の終わりを告げる。
知恵にカレー漬けにされた露伴は鐘の音で意識を取り戻した。
昼休みに意識を失ってから今まで放心状態だったようだ。
HRを終えて教室を出てくる知恵と入れ違いに、露伴は教室へと向かった。

魅音「おーい、露伴さんこっちこっちー。」
露伴「ん?話って部活なのかい?」
魅音「いや、今日は部活はないよ。私がバイトがあるからね。」
露伴「それじゃあ話ってやつを始めてくれよ。」
魅音「うん、簡単に言うと、露伴さんに綿流しのお祭りを盛り上げてほしいってことなんだけど。」
露伴「・・・。」

383 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:00:20.93 ID:ZAvA6hiQ0
魅音「露伴さんにね絵を描いてもらおうっていう案が出たんだよ。
   似顔絵とか、あとは子供が喜ぶ絵とか、そういうのを描いてもらう出し物をさ。」
露伴「めんどくさそうだな。遠慮させてもらっていいかい?」
圭一「なんだよ露伴さん、俺たちで宣伝する作戦までもう考えてあるんだぜー?」
レナ「レナ達もお手伝いするから、やってほしいな。」
露伴「勝手に話を進められても困るぜ。僕だって初めて来るお祭りなんだから、楽しませてくれよ。」
魅音「時間はそんなにずっとじゃなくていいんだよ。
   ちょっとした出し物のつなぎでやってくれれば大丈夫だからさ。」
沙都子「露伴さん、やってくださいませ。
    私も露伴さんの活躍を見たいですわよっ。」

385 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:02:07.26 ID:ZAvA6hiQ0
部活メンバーは露伴を説得しようと必死だった。
露伴はどうしたものかと悩んでいたが、梨花が何気なく言った一言が決め手となった。

梨花「お手伝いをすれば、実行委員会のテントに自由に入って泡麦茶を飲み放題なのです。」

梨花を除く部活メンバーにはそれはビールを餌に露伴を釣ろうとする言葉に聞こえただろう。
しかし、露伴と梨花にとっては違った。それは実行委員会のテントに自由に出入りすることにより、
5年目の祟りの情報がもっとも早く入手できるということを示していた。

露伴「わかったよ。そんなに言うならやってやるよ。」

露伴が観念したと思い、部活メンバーは大喜びして宣伝の方法を語りだす。
露伴は皆に気づかれないように魅音に言う。

露伴「魅音ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだが、いいかい?」
魅音「うん?みんなに聞かれたくない話?」
露伴「あぁ、一応そうしてくれ。」

露伴と魅音はトイレということにして教室からでた。

386 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:03:12.15 ID:ZAvA6hiQ0
魅音「もしかして、お金の話ー?」
露伴「あぁ、報酬があるならその話もしたほうがいいんだろうけど、僕が聞きたいのはそれじゃあない。」
魅音「報酬はね、できれば現金はやめてほしいかな。お祭りで遊び放題とか、
   梨花ちゃんが言ってたビール飲み放題とかにしてほしいねぇ。」
露伴「あぁ、それは考えておくよ。それより、詩音ちゃんと会ったんだよ。」

魅音は一瞬ビクッとなったあと、平静を保って答える。

魅音「あ、あぁ、バイト先で会ったんでしょ?で、電話で聞いたよ。」
露伴「いや、その前にね。町で偶然会ったんだよ。」
魅音「もしかして、露伴さん・・・。」
露伴「あぁ、あの日は詩音ちゃんが親に呼び出されてたっていうのも知ってる。」

魅音は頭を抱えながら答えた。

魅音「あちゃー。バレてたのかぁ。圭ちゃんには言っちゃった・・・?」

387 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:04:48.10 ID:ZAvA6hiQ0
露伴「いや、僕は何も言ってないよ。圭一君がどう思ってるかはしらないけどね。」
魅音「それじゃあ、秘密にしといてよ?」
露伴「あぁ、そのつもりさ。それで、詩音ちゃんの連絡先を聞きたかったんだが、いいかい?」
魅音「詩音の連絡先?何か用があるなら伝えておこうか?」
露伴「いや、今度いろいろ話す約束をしててね。だから自分で連絡するよ。」
魅音「そっか、それじゃあね、たしか・・・」

露伴は魅音から電話番号を聞きメモする。
用も済んだので二人は教室へと戻ることにした。

魅音「偶然町で会ってるとは、さすがに予想できなかったなー。」
露伴「僕も最初は魅音ちゃんだと思ってたからね。」
魅音「でも、詩音と露伴さんが仲がいいなんてちょっと意外かも。」
露伴「うーん。まぁ、おもしろい子だとは思うけどね。
   魅音ちゃんも、仲良くしないとだめだよ?」
魅音「え?詩音から何か聞いたの?」
露伴「さぁね。ふふふ。」

露伴はそう言うと、教室の扉を開け、中に入っていってしまった。
魅音も続き、教室へと戻る。
皆はまだ露伴の出し物について話し合っているようだった。

388 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:05:55.38 ID:ZAvA6hiQ0
しばらくは露伴の催し物の話をしていたが、途中から脱線し雑談になっていた。
魅音がそろそろバイトの為に帰るというので、罰ゲームの話題になる。

露伴「うーん、前回と一緒じゃあ面白くないしな。
   でも圭一君と魅音ちゃんふたりの罰ゲームなんだよなぁ。」
沙都子「圭一さんは裸で家まで帰ればいいんですわ。」
レナ「はぅ・・・圭一くんのおっとせいかぁいいよぅ・・・。」
梨花「圭一と魅ぃの二人ならなんでも罰ゲームじゃなくなっちゃうのです。にぱー☆」
露伴「そうだなぁ。じゃあ罰ゲームは圭一君に言っておくからさ、綿流しのお祭りまでに実行するってことで。」
沙都子「魅音さんに何かするんですの?」
露伴「ふふふ。それは実行してからのお楽しみだよ。なぁ、圭一君。」

露伴はそう言い、教室の隅へと圭一を連れて行った。
露伴が何かを告げると圭一は顔を真っ赤にして騒ぎ立てる。
部活メンバーはその圭一の様子から罰ゲームとして十分なのだろうと理解し、その罰ゲームに決定することになった。

389 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/01/08(火) 00:06:59.13 ID:ZAvA6hiQ0
それで今日はお開きとなり、皆で教室から出ていく。
校庭を通り、別れるところまで来る。

魅音「それじゃあ、みんな、今日は部活なしで悪かったね。
   また明日学校で会おう。」
圭一「じゃあな、梨花ちゃん、沙都子ちゃん、露伴さん。」
沙都子「また明日でございますわー。」
梨花「さようならなのです。」
露伴「あぁ、また会おう。」

そう言うと、圭一と魅音は帰ろうとする。
だが、レナが付いてこなかった。

圭一「おう、レナ?置いてくぞー?」
レナ「あ、うん。レナは露伴さんとお話したいことがあるから、先に帰ってほしいかな?かな?」
圭一「え?そうなのか?うーん・・・。」
レナ「圭一くんは魅ぃちゃんと帰っていいよ。
   レナと露伴さんのお邪魔をしちゃ嫌だよ☆」

レナが笑顔でそう答えるので、圭一は素直に魅音と二人で帰ることにした。
沙都子と梨花も気を使って先に帰っていった。
露伴はレナと二人きりになるが、何の用があるのかまったく心当たりがない。
レナに促され、二人は教室へと戻っていくのだった。

chapter21へ
TOPへ