192 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/20(木) 23:56:17.51 ID:rAp5ChG90
大石「それじゃぁですねぇ・・・」

大石がそう言いかけた時、露伴が不満そうに言い放った。

露伴「待てよ。まだ僕の質問が終わりだとはいってないだろう?
   あんたたちの言う、仲間ってことについてちゃんと話してもらおうか。
   あとになって無理な協力を求められたり、金をたかられたらたまったもんじゃないからな。」
   
   194 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 00:00:15.84 ID:C+/gFwJu0
大石「なるほどなるほど、確かにそれも大切な話ですねぇ。
   でも、露伴さんに損させるようなことはありませんよぉ?
   ご自由に取材してくださって結構です。」
露伴「納得いかないな。それじゃ今と変わらないじゃないか。」
大石「いえいえ、ちゃーんと私と赤坂さんからは情報を差し上げますよ。
   あとはですね、ちょーっとだけ条件がありまして。
   できれば、でいいんですがね。できれば、で。
   ・・・私達の希望をね・・・叶えてほしいんですよ。」
露伴「僕は回りくどい言い方は嫌いなんだ。
   はっきり言ってくれよ。そのほうが後でもめることもない。
   (それにこの岸辺露伴にできないことがあるわけがない。)」
   
   201 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 00:10:22.88 ID:C+/gFwJu0
大石「そうですねぇ。はっきり言っちゃいましょうか?
   私たちはあなたにすべての情報を託します。
   取材は自由に続けてくださって結構です。嫌になったらやめてしまってもかまいません。
   ただ、真実に辿り着いたときには、私と赤坂さんにお教えいただきたい。と、
   本当にそれだけです。金銭の要求もありませんし、もし真実に辿り着けなければ、
   今後一切の連絡がなくてもかまいません。」
露伴「・・・そりゃあ僕にとっちゃ、都合のいい話だが。
   あんたたちが何の得をするのかまったくわからない。」
大石「ですからさっき言ったじゃないですかぁ?
   あなたなら真実を暴いてくれる気がしてるって。」
露伴「・・・。」

204 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 00:23:49.52 ID:C+/gFwJu0
大石「納得できないことはお嫌いですかなぁ?
   それだと生きていくの、大変じゃありませんかねぇ?」
露伴「・・・余計なお世話だ」
赤坂「私も、大石さんがそんなことを考えていたとは知らなかったんですが、
   いいじゃないですか、聞いてみて信じられなければ信じなければいいんですから。
   まぁ、そんな風に私たちの持つ情報を無闇にひろめるのは反対ですがね。」
大石「んっふっふっふっ、赤坂さんお厳しいですねぇ。
   でも、赤坂さんのおっしゃるとおりですよ、岸辺さん。
   話だけ聞いて、さようなら、でも構いませんから。どうですぅ?
   私と約束しちゃいませんか?真実に辿り着いたら教えてくださるってだけでいいんですよぅ?」
露伴「・・・いいだろう。約束するよ。
   言っておくが、赤坂が言ったから乗るわけじゃないからな。
   僕自身同じ考えを持っていただけだ。」
大石「はいはい、わかってますよぉ。岸辺さんは名探偵さんですからねぇ。
   んっふっふっふっふっ。」

大石が得意の嫌味な笑いをする。赤坂も苦笑しているようだった。
自分が馬鹿にされていると感じた露伴は、本題に入る前にトイレに行くといってお茶を濁すのだった。

208 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 00:35:18.19 ID:C+/gFwJu0
赤坂「大石さん、そんな条件で彼に協力するなんて、正直納得できませんよ。」
大石「おんやぁ?言った時に反論しないんで、許してくれてると思ったんですが、
   やっぱりご機嫌ななめですかぁ?」
赤坂「絶対にやめろ、とは言いませんが、僕は賛成できないし納得もできないということです。」
大石「んっふっふっふっ。彼が納得させてくれますよ。そのうちね・・・。」
赤坂「大石さんはそんなにあの男を買っているんですか?
   彼にいったい何があるっていうんです?」
大石「そりゃぁ、彼が真実を暴いたときのお楽しみってやつですよ。赤坂さん。」
赤坂「・・・。まぁ、大石さんなりの考えがあるんでしょう。
   今は何も言わないでおきますよ。」
大石「すいませんねぇ。私も確証があるわけではないんで、はっきりは言えないんですよぉ。
   老年刑事の勘ってやつですかねぇ?」
赤坂「僕には昔からそういうものはありませんからね。
   大石さんに従いますよ。それで?どこから話すんですか?」
大石「まずはダム戦争の・・・」

露伴「また僕のいないところで打ち合わせかい?」
トイレに行ったはずの露伴が赤坂のベットの後ろ側に座っていた。
大石も赤坂も露伴の気配に気づかなかったようだ。
空手を始めてから背後をとられたことなどなかった赤坂は目を疑った。
この男には、何か秘密があるのかもしれない・・・。
赤坂はそう思うのだった。

212 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 00:48:32.98 ID:C+/gFwJu0
大石「いえいえ、そんなことありませんよぉ。
   どこからお話するのがわかりやすいか、相談していたんですよ。」
露伴「ふん・・・まぁ、信じてやるよ。」
大石「そうですよぉ。私たちは仲間なんですから、信じあいましょう。
   んっふっふっふっ。美しい友情ってやつです。」

このじじぃは扱いづらいな。天国への扉(ヘブンズドアー)を使っちまいたい気分だ。
それが大石のやり方だと気づかずに、露伴は大石に苦手意識を感じ始めていた。
露伴は大石の言葉が聞こえない素振りで椅子に座るのだった。

露伴「じゃあ、本題に入ってくれよ。
   どこから話すか決めたんだろう?」
大石「そうですねぇ、まずは時系列に沿っておおまかなお話をしましょうか。
   質問は最後で受け付けますので、途中での受け答えはなしとしましょう。
   まとめて説明したほうが早いこともありますのでねぇ。」
露伴「わかったよ。横から口を出すことはしない。
   さっさとはじめてくれ。僕が聞きたいことだけで今日一日じゃ足りないかもしれない。」
大石「そうですねぇ。岸辺さんは疑り深いですからねぇ。
   それじゃあまずは、ダム戦争の頃からお話しましょうか。」

217 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:02:44.03 ID:C+/gFwJu0
大石「雛見沢は昔、ダムの底に沈む予定になったことがあるんですよ。
   当時の政府がダム計画を発表すると、村は直ちに反対を表明。
   ダム建設反対の住民運動が始まります。まぁ、住民運動って呼ぶには過激なもんでしたがね。
   そんなダム戦争の中、赤坂さんが東京からいらっしゃるんですよ。
   それじゃ、赤坂さん。バトンタッチでお願いします。」
赤坂「・・・。私は、警視庁から特務捜査の命を受け、雛見沢を訪れました。
   どうせ聞かれると思うので言ってしまいますが、当時の建設大臣の孫、犬飼寿樹君が誘拐されました。
   警視庁は独自に誘拐を察知し、犯人である団体を調べるために私は派遣されました。
   捜査当初、警視庁では鬼ヶ淵死守同盟の線は薄いと考えていました。
   鬼ヶ淵死守同盟というのは、住民運動の団体の名前ですね。
   鬼ヶ淵というのは・・・」
大石「赤坂さん。そんなに真面目に話さなくって大丈夫ですよぉ。
   岸辺さんは名探偵さんですからね。大まかな流れを説明すれば必要なことだけを質問してくださいますよ。ねぇ?」
露伴「ふん・・・。どっちでもかまわないよ。」
赤坂「では、結論だけ言わせていただきましょう。建設大臣の孫を誘拐したのはおそらく鬼ヶ淵死守同盟です。
   私と大石さんは犯人らと銃撃になり、孫は救出できたものの犯人は捕まえられませんでした。
   ですので、鬼ヶ淵死守同盟が犯人であるとは言い切れませんが、孫が雛見沢の近くで救出されたことは事実です。」
   
218 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:08:52.84 ID:C+/gFwJu0
赤坂「そしてこの際に、私は一人の少女と出会っています。
   その少女の名前は古手梨花。彼女の予言により、今僕はここにいると言っても間違いではないでしょう。
   その祟りの内容とは、その次の年以降毎年オヤシロ様の祟りが起こる。ということでした。
   詳細な内容を言い当てており、すべてその後の事件と一致しています。
   私はその際、5年目の祟り、つまり雛見沢大災害の年に彼女自身が殺されること知っていた。
   つまり、彼女に助けをもとめられていたんです・・・。それが、私が大災害の真相を追う理由です。」

露伴「あー、すまない。前言撤回だ。気になってしょうがないから途中で質問させてくれないか?」
大石「んー、まぁ、いいですけど。時間かかっちゃいますよぉ?」
露伴「思ってたより面白そうな話なんでね、時間は気にしないことにするよ。」
大石「そりゃ、どーも。私らにとってはちーっともおもしろくないんですがね。
   まぁ、何でも答えますよぅ?」
露伴「まずは、雛見沢ダムの建設は凍結されたと思うんだが、それは誘拐のせいかい?」
赤坂「警視庁としては、確実に取引が行われた証拠は掴んでいません。
   ですが・・・。私個人の私見として、取引が行われ、孫の救出劇のシナリオを僕らが演じさせられた。
   そう考えています。」

220 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:14:46.32 ID:C+/gFwJu0
露伴「へぇー。なるほどね。
   漫画の取材として銃撃の話を聞きたいんだけど、それはあとにするよ。
   次は、その少女についてなんだが・・・。何から聞いたらいいものか・・・。
   僕の知る限り御三家というものが雛見沢にあるらしいんだが?」
大石「よくご存知です。ただ、彼女についてはこのあとでも話が出てきますので、そのときでよろしいですかなぁ?」
露伴「じゃあ、祟りだ。5年目の祟りなんて僕は知らないぞ?」
大石「んっふっふっふ。そうですよねぇ。
   4年目以降の祟りは秘匿捜査指定がかかってますから、知らなくて当然ですよぉ。
   それについても、このあとお話しするのでご安心ください。」
露伴「・・・。やっぱり質問するのはやめるよ・・。
   あとでまとめて聞くことにする。」
大石「(おやおや、拗ねちゃいましたかねぇ。)
   それじゃあ続きにしましょうか。質問はご自由にどーぞ。
   次は1年目の祟りのお話ですかねぇ。」
   
   232 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:33:01.17 ID:C+/gFwJu0
露伴「新聞に載ってることくらいなら知ってるよ。
   僕の知らない事実があるなら説明してくれてかまわない。」
大石「おやおや、そうするとですねぇ。
   2年目の祟りまでは、新聞どおりということですかなぁ。
   3年目の祟りは新聞には載ってないと思うんですが、ご存知です?」
露伴「オヤシロ様を奉る古手神社の神主が病死、妻が後を追って自殺する。
   たしかそのくらいの情報しかもっていない。」
大石「それで十分ですよ。それ以上のことはなーんにもありませんからねぇ。
   ちなみに、その夫婦が先ほどの少女古手梨花さんのご両親です。
   古手家は親類などもいないものですから、梨花さんは最後の古手家の人間になってしまったわけです。」
   
   222 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:18:34.88 ID:C+/gFwJu0
大石「そして4年目の祟り。ここからは秘匿捜査指定がかかっているのでご存知ないでしょう。
   2年目の祟りでお亡くなりになった北条さんのですね、弟さんの妻が撲殺されるんです。
   犯人は逮捕されました。麻薬中毒の男が自供したとされています。
   あ、そういえばお話し忘れてましたよ。北条夫妻はですねぇ、ダム賛成派だったんです。
   それで村中から嫌われていたんですよ。村八分ってやつです。嫌ですねぇ。」
露伴「ふーん。北条夫妻の詳しいことはネットで見かけたんが事実だったようだな。」
大石「おやおや、今じゃそこまで調べられるんですかぁ?ネットっていうのは怖いですねぇ。
   まぁ、とりあえず、4年目もきっちり村の仇敵が死んだわけです。綿流しの日に。」
露伴「そうだ、その綿流しの日。図書館で確認できなかったんだが、祟りの事件と同一の日でいいんだな?」
大石「えぇえぇ、4年目まではきっちり綿流しの日に人間が一人づつ死んでますよぉ。」
露伴「一人?夫婦が犠牲になってるじゃあないか。」

補足・・・作者による順番の手違いがあった為正しい順序に修正させて頂きました。
>>220、>>232、>>222の順となっております。

225 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:23:50.87 ID:C+/gFwJu0
大石「おおっと、また説明し忘れてますねぇ。やっぱり歳はとりたくないもんです。
   オヤシロ様の祟りはですね、毎年一人が死に、一人が行方不明になる。そういうものらしいんですよ。
   まぁ、これは村人が言っていただけで私はよく知らないんですがね。」
露伴「・・・たしかに新聞では夫婦の妻のほうは行方不明と書いてあったな、両方とも。
   1年目と4年目はどうなるんだ?」
大石「1年目はですねぇ、主犯格の男が行方がわかっていません。
   4年目は死亡した北条さんのところに住んでた息子さん。
   まぁ、義理の息子さんなんですがその方が家出されてるんですが、村ではこの方が行方不明になったと言われています。
   ちなみにこの方、2年目の祟りで死亡した夫婦の実の息子さんでもあります。」
露伴「なるほど。一応辻褄があうってわけか。
   ただの偶然じゃあないのかい?」
大石「私も偶然だと信じたいんですがねぇ、村の方がおっしゃるんですよ。
   一人は祟りで死に、一人はオヤシロ様の祟りを静めるために生贄になったんだってね。
   3年目の神主の妻が遺書にオヤシロ様の祟りを沈めるために自殺するって書いてるって事実もありますしねぇ。
   古い言い伝えにも、あるらしいんです。生贄の話。」
露伴「つまり、村の人間は毎年の事件はオヤシロ様の教えに沿って起こってると、そう言うわけだ?」
大石「んっふっふっふっ。その通りです。
   まぁ、細かい話はあとでしますので、5年目の祟りの話しちゃっていいですかぁ?」
露伴「あぁ、続けてくれ、創作意欲が湧いてきた。」

235 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:35:30.95 ID:C+/gFwJu0
大石「5年目はですねぇ、ちょっと被害者の方が多いんですよねぇ。
   簡潔に言いますと、綿流しの日に富竹ジロウさん、鷹野三四さんがお亡くなりになります。
   富竹さんは首を自ら掻き毟るという変死体。鷹野さんは岐阜の山中で遺体を焼かれて発見されます。
   そして雛見沢大災害の当日の朝。古手梨花さんがお亡くなりになります。
   古手神社の境内で生きたまま腹を割かれ、内臓を引きずり出すというこれまた変死体で発見されます。」
露伴「・・・。
   雛見沢大災害が5年目の祟りかと思ったが、それとは別に事件は起きているという・・・。」
大石「そうなんですよぉ。大災害のせいでこれらの事件の捜査はうやむやになっちまいましてねぇ。
   あぁ、それと、これ以外にもうひとつ。有名な学校篭城事件があります。これは梨花さんがお亡くなりになる前の日ですなぁ。」
露伴「ふむ。大体の流れはわかったよ。
   だけど、質問したいことが山ほどだ。
   僕もこのホテルに宿をとって話を聞くことにするよ。
   ちょっとフロントに行ってくる。」



露伴はそう言うと、大石たちの了解も取らずに部屋を出て行ってしまった。
残された大石と赤坂は苦笑しながら冷めたお茶をすするのだった。
240 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:40:20.75 ID:C+/gFwJu0

■TIPS

----露伴のメモ----
大石と赤坂という刑事から話を聞くことができた。
ここには彼らの推理する雛見沢大災害の真相を書いておく。
ここに記すもの以外にも彼らは何通りかの説を考えているようだが、
これがもっとも自分たちの体験したことと矛盾がないと言っていた。

彼らの考えの根本には、園崎家が黒幕という考えがあるようだ。
図書館で調べたときは園崎家はノーマークだったんだがな・・・。

245 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:46:33.02 ID:C+/gFwJu0
彼らが言うには、園崎家は戦後に勢力を拡大し、雛見沢ではもっとも力のある家系だったらしい。
園崎>公由>古手の順のようだ。まぁ、オヤシロ様関係は古手の順位があがるようだが。

彼らの言う真相とやらを簡略するとこうだ。
園崎家は雛見沢の風習「オヤシロ様」の復活を願っていた。
1〜4年目の祟りはオヤシロ様信仰を復活させるため、村の仇敵を殺すことにした。
これは1年目より1年前。梨花が予言をした時点で決められていたことであり、梨花は何らかの形でこれを知っていた。
そして梨花自身も5年目に殺されることが決まっていた。これには34号文書の内容を考慮すると説明がつく。

246 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:53:33.01 ID:C+/gFwJu0
34号文書によれば、雛見沢の住人は特殊な風土病に感染しているらしい。
また、園崎家の関与は記されていないが、この風土病を研究している人間がいることを示唆している。

園崎家はこの病原菌を使って、未曾有のバイオテロを起こそうとしたのである。
そして、そのバイオテロをオヤシロ様の祟りにするためのキーワードが梨花だ。
古手家には第一子に女子が8代続いたとき、その8代目はオヤシロ様の生まれ変わりである。
という言い伝えがあるらしい。このオヤシロ様の生まれ変わりが死ねば、村が滅ぶ祟りがおきる。
そこで、この34号文書のバイオテロの出番ってわけだ。

247 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 01:58:28.02 ID:C+/gFwJu0
そして政府はこの前代未聞のバイオテロ行為を隠蔽し、
火山性のガスによる大災害というシナリオを流したのだ。

これはかなりインターネットの意見に近いものが含まれているし、非現実的だ。
そもそも、村を滅ぼしたら園崎家に何の得があるのかもわからないし、
オヤシロ様信仰も復活どころか、消滅してしまうと容易に考えられるだろう。

しかし、彼らが現実に持つ34号文書の中から宇宙人やUFOなどの情報を取り除くと、
たしかにこの仮説にたどり着くのかもしれない。
ちなみに、34号文書では園崎家については一切触れられていない。
園崎家が黒幕であるというのは、大石がオヤシロ様の祟りを捜査してきた情報と経験によるものだ。


僕は彼らの意見に賛成でも反対でもない。
これが真相である可能性もあるだろう。
しかし、僕は彼らの主観が入り混じったこの説をあまり重要視しないほうがいいだろう。
僕の漫画には彼らの主観は必要ないしね。読者が面白く感じる部分だけどうまく切り取ってやる。

249 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 02:01:42.83 ID:C+/gFwJu0
----学校篭城事件の真相----
露伴「なるほどねぇ、そりゃぁその葛西辰由っていうのはすごいもんだなぁ・・・」
大石「そうですそうです、散弾銃の辰の異名で恐れられてましたからねぇ。」

露伴「あー、まぁ、大体わかったよ。じゃあ次は学校篭城事件について詳しく頼みたいんだが。」
大石「いいですとも、いいですとも。
   私、あのとき捜査の指揮取ってたんですよぉ。詳しく語っちゃいますよぉ?」
露伴「そりゃぁ漫画のいいネタになる。楽しみだね。」

すでに明け方、大石が露伴の相手をするということで、赤坂は仮眠をとっていた。
その間にこの二人は以外に仲を深めたようである。露伴は嫌味だが味方にするならおもしろいじいさんだな、と考えを改めていた。

250 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 02:04:06.07 ID:C+/gFwJu0
大石「さきほどもちょっとお話したようにですね、私は犯人と面識がありました。」
露伴「あぁ、そうそう、犯人の名前が竜宮礼奈って噂は本当なのかい?」
大石「ありゃぁ、そこまでご存知ですかぁ。そうです竜宮礼奈さんです。
   竜宮さんはね、事件の前から私に話をしてくださってたんですよ。
   34号文書の内容をですね、うまく私が信じるようにテロのところだけお話してくれてたんです。
   まぁ、いろいろあってですね、竜宮さんは私が味方だと思い込んでたってわけです。」


大石「竜宮さんは新聞の報道のように全校生徒を人質に取りました。
   そのあと人質全員を縄跳びで縛り、拘束。
   その後に我々が到着し、電話で交渉を重ねるこう着状態に入りました。
   竜宮さんは当然交渉役に私を指名しました。私はなんとか味方だと思わせつつ会話を続けました。
   するとですね、竜宮さんが友人の一人を仲間だと言って電話にだしたんですよ。
   それが前原圭一さんという方です。彼は人質の安全を考えて竜宮さんに従いつつも我々に協力してくれました。

   まずは、私が交渉で34号文書をこちらに見せてくださるように交渉しました。
   その交渉はなんとか成功し、前原さんが校庭まで34号文書を持って出てきたんですよぉ。
   わたしゃこの時を逃すか、とばかり前原さんに催涙スプレーと盗聴器を持たせましてね。
   それで中の様子がなんとかわかるようになったんです。」
   
251 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 02:07:54.54 ID:C+/gFwJu0
大石「そしたらですね、なんとガソリンばら撒いちゃってるんですよぉ。
   教室中と人質に向かってガソリンぶち撒けちゃってましてね。そりゃ恐ろしいもんです。
   知ってますかぁ?気化ガソリンって危ないんですよぉ?」
露伴「ガソリンの発火点は約300度だが、引火点は-40度。
   気体になると空気より重く、通気性がなければ室内なら充満したままだ。
   ライターで火をつけなくても、火花が出ただけで、ドカン、さ・・・。」
大石「ありゃ、こりゃまた一本取られましたねぇ。
   よくご存知だ。まぁ、そんな緊張状態だったわけです。」

252 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 02:09:28.89 ID:C+/gFwJu0
大石「その後は竜宮さんの要求をうまくなだめるばかりでしてね。
   彼女の要求はこうです。村の診療所で病原菌の研究をしているはずだから今すぐ一斉捜査に入れ。
   自分は既にやつらになんらかの薬を服用させられてもう持たない。特効薬が見つかれば持ってきてほしい。
   時間までに捜査が行われない場合、自分は人質とともに自爆する。

   いやぁ、あせりましたよ。最後には時間ギリギリになってきちゃいましてねぇ。
   県警からSWATの前身まで派遣されて、突入準備までしちゃってるんです。

   そんなときですね。さきほどの前原さんがやってくれたんですよ。
   犯人の一瞬の隙をついてライターを奪い、催涙ガスを噴射。なんとか竜宮さんを押さえ込んだんです。
   私たちが気づいたのは、子供たちが逃げ始めてきてからでした。
   自体が急変したとして、一斉突入。無事に全員を救出することができました。」
   
253 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 02:10:58.13 ID:C+/gFwJu0
露伴「へぇ。なかなかドラマチックな展開だな。」
大石「んっふっふっふ。そうでしょ?そうでしょ?
   私はなーんにも活躍してないんですがねぇ。
   お知り合いになった人に刑事時代の話をしてくれ、なんて言われると、ついこの話をしちゃうんですよぉ。」
露伴「竜宮礼奈ってのはまだ生きてるのかい?
   警察に捕まってたなら、大災害は避けられたんだろ?」
大石「それがですねぇ・・・。
   生きてはいらっしゃるんですが、篭城事件以来、精神に支障をきたしちゃいまして・・・。
   大災害でお友達が全員お亡くなりになったショックもあるんでしょうねぇ。
   今でも白い壁の中でベットに座り込んだままみたいなんですよ。
   赤坂さんと何度か、お話を伺いに行ったんですが、まともに会話ができませんでして・・・。」
露伴「ふぅん。気の毒なもんだ。じゃあ、次の質問をいいか?
   (・・・ある意味取材してみたいが・・・さすがに病院に侵入はまずいか・・・?)」
   
   
CHAPTER5へ
TOPへ