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21 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 20:27:16.05 ID:C188nCwF0
----××県鹿骨市興宮某ホテル----
露伴「よし、じゃあこのくらいで十分かな?」
大石「いやはや、長かったですねぇ。
   もうちょっと老体を労わってくださいよぉ。岸辺さん。」

大石がそう言うのも無理はない。
露伴と大石達が出会って2日が過ぎていた。
その間、大石と赤坂は交互に仮眠をとり、露伴の質問に答えた。
当の露伴は出会った日から、次の次の日、つまり今日の夕方まで一睡もせずに話を聞き続けたのだった。

22 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 20:30:47.24 ID:C188nCwF0
露伴「もう今日は遅いし、荷物を置いてあるホテルに行って休むことにするよ。
   明日は雛見沢に取材にいくことにする。」
大石「いやはや、露伴さんはお若いなんてもんじゃぁないですねぇ。
   普段からそんなお忙しくお仕事なさってるんですかぁ?」
露伴「逆だよ。普段は睡眠もたっぷり取るし土日は休日にしてある。
   どこかの漫画家みたいに連載を休むことはないけどね。」
大石「ほーぉ、漫画家さんっていうのは大変なお仕事だと聞いていましたが、
   言われてるほどではないんですねぇ。」
露伴「まぁ、流石に僕も眠いし、さっさとおいとまするよ。
   連絡先は、さっきもらった名刺でいいんだよな?」
大石「えぇえぇ、かまいませんよぉ。
   でも、よかったら地元に帰られる前に、一発どうですかぁ?」

そう言って大石は麻雀の牌を倒すような仕草をする。

25 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 20:40:34.06 ID:C188nCwF0
露伴「時間があれば構わないけど、手を抜くつもりはないよ?」
大石「んっふっふっふっ。こう見えても私達、そこそこイケるんですよぉ?
   連絡が頂けるのを楽しみにしてますよ。
   私達は今月いっぱいは興宮にいるんで、いつでも連絡くださいねぇ。」
赤坂「大石さん、クリスマスは・・・孫に会いに行くって言ってありましたよね?」
大石「おやおや、忘れてましたねぇ。
   そういうことなんで、クリスマス以外にお暇があれば、お願いしますよ。」
露伴「クリスマスまでこっちはいないと思うよ。
   まぁ、暇があったらね。それじゃあ、帰るとするかなぁ。」
大石「私達も眠いんで、もうお休みさせてもらいたいですしねぇ。」

そう言って露伴はドアに向かって歩き出した。が、ドアの前で立ち止まる。
露伴「おっと、危ない危ない、忘れるところだった。」
大石「おんやぁ?忘れ物ですかぁ?」
露伴「いや、君らにすこーしばかりお礼をしようと思ってね。
   いろいろ教えてもらったお礼をさぁ。」
   
   28 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 20:47:41.23 ID:C188nCwF0
大石「お金ならけっこうですよぉ?
   私は年金もらってますし、赤坂さんはお給料いいですからねぇ。」
露伴「そんなもんよりずっと価値のあることなんだけどな。
   いらないって言うなら、帰るよ。」
赤坂「待ってください。私は頂くことにしますよ。そのお礼。」
大石「いやいや、私だって頂きますよぉ。病気以外でしたらなんでもねぇ。」

露伴「じゃあ・・・あんまり"一般の方"には教えちゃあまずいんだが。
   アンタらも大分職務違反して教えてくれたみたいだしね。
   僕の持つ情報をひとつだけ・・・あげることにするよ。」
大石「ひとつだけですかぁ?私達は全部お話したのに。
   ケチな話ですねぇ。んっふっふっふっ。」

露伴「なんと言おうと、ひとつしか教えないよ。
   古手梨花は・・・僕と同じ種類の人間かもしれない。」
   
   31 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 20:55:13.01 ID:C188nCwF0
赤坂「それは・・どういうことですか・・・?」
露伴「古手梨花は奇妙な力を持っていた。
   アンタらは、古手梨花が計画を知っていたと仮定していたが。
   それは実際に予知能力だったのかもしれないってことさ。
   僕に予知能力はないが、君達には信じられないような能力を持っている。」

大石「へぇ。それでそれで?
   疑り深い岸辺さんなら、わかると思いますが・・・。
   私達を納得させること、してくれるんですよねぇ?」

露伴「・・・。
   赤坂さん、コーヒーを1杯淹れてもらえますか?ブラックで。」
   
   35 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:04:50.35 ID:C188nCwF0
赤坂「えぇ・・・いいですけど。コーヒーに何か関係が?」

そう言って赤坂はコーヒーを淹れはじめた。
露伴は不敵な笑みを浮かべたまま何も答えない。
赤坂が淹れ終わったコーヒーをテーブルに置いた。

露伴「大石さん、赤坂さん。これから僕はここを一歩も動きません。
   まずは、コーヒーが本物であることを、飲んで確かめてください。
   お二人とも一口はお飲みになるように。」

大石と赤坂は言われたとおりにコーヒーを交互に一口ずつ飲んだ。

37 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:08:03.81 ID:C188nCwF0
露伴「お味はどうですか?」
大石「普通のコーヒーですよ?なーんも入ってないブラックの。」
赤坂「えぇ、普通のインスタントコーヒーの味です。」
露伴「・・・。
   お味は・・・どうですか?甘いですか?苦いですか?しょっぱいですか?」
大石「あぁ、そういう意味ですか、苦いですよ。
   このくらいがちょうどいいですけどねぇ。」
赤坂「僕には・・・ちょっと苦すぎますが、苦かったです。」

38 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:14:35.97 ID:C188nCwF0
露伴「よろしい。
   ・・・それでは、もう一度飲んでください。」

大石「はぁ・・・何の意味があるんだか・・。」
そう言って大石はカップに口をつけた途端、驚きの表情で赤坂にカップを手渡した。
赤坂もすぐにカップに口をつける。
赤坂「甘いッ!!それも砂糖を入れたコーヒーではなく、甘味だけだ。
   まるでガムシロップのように甘いッ!!!」

露伴「これが僕の能力だよ。別に飲み物の味を変えるってわけじゃないからな。
   君達の感覚を操作させてもらった。今度はしょっぱくしてやるよ。」

天国への扉ッ(ヘブンズ・ドアー)!!!
ドシュシュッ、苦味を塩味に感じる。

41 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:20:50.28 ID:C188nCwF0
大石「こりゃぁ・・・今度は海水を舐めてるようだ・・・。」
赤坂「カップに細工をしたような感じはしなかったが・・・。」

露伴「世の中には、こういう特殊な能力を持ったやつがいる。
   僕の知り合いには壊れた物を直したり、時を止めたりするやつがいる。
   古手梨花が僕と同じ種類の人間なら、本当に予知の能力を持っていても不思議ではない。
   もちろんアンタらの推理が正しいって可能性もあるがな。」
   
   43 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:26:44.27 ID:C188nCwF0
大石「これは・・・ん・・んっふっふっふっ。
   岸辺さんの能力を信じるしか・・・ないですねぇ。」
赤坂「疑う余地は・・・なさそうです・・・。」

露伴「それじゃあ、僕は本当においとまする。
   じゃあな、僕が真実を暴くまでに死ぬなよ?じいさんたち。
   おっと、忘れないうちに元に戻さないとな。」

そう言って立ち止まったあと、露伴は部屋から出て行くのだった。
大石と赤坂は別れの言葉を言うのも忘れ、呆然と座り込んでいた。
まるで狐か狸にでも騙された気分だった。

ぼんやりと赤坂がコーヒーを口につけると、コーヒーの苦味は元に戻っていた。
49 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:33:43.31 ID:C188nCwF0

■TIPS

----赤坂は露伴がお好き?----

露伴はすでに部屋を出ていったが、二人は何を話したらいいかわからず黙り込んでいた。
すると、赤坂が思い出したように言った。

赤坂「大石さん、彼に雛見沢の地図を渡すのを忘れていました。
   まだタクシーを待っていると思うので、届けてきます。」

そういうと赤坂は部屋から飛び出していくのだった。

大石「んっふっふっふっふっ。
   やっぱり仲良しさんなんじゃないですかぁ。
   まぁ、彼に託したのは正解だったようですしねぇ・・・。」
   
   52 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:39:01.15 ID:C188nCwF0
赤坂「露伴さんッ!」

露伴はフロントのソファーでタクシーを待っている様子だった。

露伴「ん?忘れ物でもしたかい?
   そんなはずはないんだが・・・。」
赤坂「これ、雛見沢の地図です。
   よかったら持って行ってください。」
露伴「馬鹿にするなよ。地図くらいちゃーんと持ってるよ。」
赤坂「いえ、雛見沢の現在の地図は、道路しか乗ってないんですよ。
   大災害で封鎖されたあとは人が住んでいませんでしたからね。
   これ、ぼくらが現在の地図に村の主要な建物等を書き込んだものです。
   よかったら持っていってください。」
   
   54 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:44:28.39 ID:C188nCwF0
露伴「そりゃぁ、親切にどうも・・・。
   ありがたくもらっとくことにするよ。」
以外に赤坂はいいやつなのかもしれない、と露伴は思った。

赤坂「それでですね・・・。
   お会いしたときから・・・大石さんの手前もありまして隠していたんですが・・・。
   実は先生のファンなんです。よかったら、サイン頂けませんか・・・?」
   
   57 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:50:08.83 ID:C188nCwF0
露伴「あっはっはっはっはっ。
   それでサインもらうためにわざと地図を渡さないでおいたのかい?
   赤坂さん、以外におもしろい人なんだなぁ。あっはっはっはっは。」
露伴は笑い転げたが、赤坂を馬鹿にしているのではない。
自分に敵意を見せていた男が、実は自分のファンだと気づき機嫌がよくなったのだ。

露伴「いいよいいよ、サインくらい何枚でもSPECIAL THANKS!!
   赤坂衛さん、でいいんだよな?」
赤坂「あ、ありがとうございます。
   それで、頼みずらいんですが、もう一枚・・・孫にももらえないですか・・・?
   孫も先生の漫画大好きなんですよ。」
露伴「何枚でもいいって言ってるだろう?
   ほら、描けたよ。」
   
   59 名前: ◆rp2eoCmTnc 投稿日: 2007/12/21(金) 21:55:23.12 ID:C188nCwF0
そういうと露伴の手にはすでに描き終えた2枚の色紙があった。
露伴はそれを赤坂に渡す。赤坂は露伴に初めて見せるとびっきりの笑顔で部屋に戻っていくのだった。

露伴はニヤリと笑ってフロントから立ち去る。

「孫のサインには天国への扉(ヘブンズ・ドアー)がしかけてあるけどな。」


今年のクリスマス。赤坂は孫にプレゼントをしたあと、
3回ほど悪戯をされるハメになる。もちろん、露伴のせいである。


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